オリンピック期間中、毎日ピクトグラム制作してみて

ピクトグラム

オリンピックが終了しました。開催すること自体に賛否が渦巻く、異様な雰囲気ではじまりましたが、何とか無事(?)閉会を迎えました。

日本選手団は競技が増えたとはいえ、史上最多のメダルを獲得したのでお茶の間でのオリンピックとしては非常に盛り上がったのではないかと思います。

僕にとって嬉しいニュースはメダルラッシュだけでなく、この期間でピクトグラムの認知度がかなり上がったことです。果たしてこれほどまでピクトグラムが取り上げられるとは誰も想像できなかったのではないでしょうか?クオリティ面でいろいろ言われている開会式の中でも “ピクトグラムパフォーマンス” の部分は非常にウケが良く、文字通り大バズりしました。このおかげで当サイトの訪問者数も飛躍的に増えていました。

ピクトグラムをその始まりから考えてみるの記事に書いた通り、ピクトグラムはオリンピックが故郷のようなものですから、このお祭り騒ぎで始まったオリンピックに乗っかり、僕もピクトグラムを毎日製作してはSNSにUPしていきました。開会式当日の思いつきでの見切り発車だったため準備不足は否めませんでしたが、過去の大会の名場面や今大会の場面も織り交ぜながら17日間の制作を完走したのには一定の充実感がありました。

制作してみて思ったことは、ピクトグラムというあり方が今後少しづつパーソナルな表現に対しても用いられていくのでは?と思ったことです。ピクトグラムは言語の種類、年齢、障害などを超えて公共空間において情報伝達する絵文字ということが本質的な使用目的です。そのためJISなどがピクトグラムの標準化を推奨しており、多くの公共施設ではこのJIS印のピクトグラムが広がっています。ですが今回のピクトグラムのバズり方ということを含めて考えるともっと多くのバリエーションが増えていくのではないでしょうか。

丸と四角といった簡単な形で表現でき、非常に手軽に誰でも作成できるというピクトグラムの良いところこそがこういった広がりを後押しすると思います。ここからピクトグラムの本質的使用方法に沿っているモノなのかどうかという所はこういった広がりが増えていくにつれ意見が交わされるところかと思いますが、ひとまずJIS印以外のピクトグラムを見る機会が増える気がします。

そんなことを思いつつ僕が制作中に迷った部分がいくつかあり、例えばピクトグラムの色。アフリカなど黒人の方が多い地域では肌の色の表現をその土地に合わせて黒にするべきではないかといったこと、そしてどこまで特定の対象に対してピクトグラムという表現が有効か(特定の人からチームなど国の代表といった範囲は?)といったこと、他にシンプルを意識しながらディテールをどこまで入れるかといった表現的な部分についてなどです。こういったところは今後も考えていく必要があるところです。

さてオリンピックの次はパラリンピックが控えています。この機会に現在調べているアクセシビリティの記事を書く予定です。今回大部分で無観客開催となってしまったのは非常に残念ですが、東京オリンピック・パラリンピックでのアクセシビリティガイドラインを見ながらどういった事を準備していたのか、そしてアクセシビリティとは何なのかを調べていきたいと思います。


Instagram / Picto Space (オリンピックピクトグラム)